ある作家によると、その地域の季節が厳しい時期に、旅をするのが良いと言う。東北地方は、冬が厳しいので冬に旅をする事にした。
東北ワイド周遊券を利用した。大学受験の浪人の12月に、東京の予備校で模擬試験を受けた。大学生の兄の下宿で、一晩泊り国鉄上越本線の小出駅から只見線に入った。上越本線では水上駅や土合駅で途中下車をして、雪の様子を観ていた。土合駅はホームから改札口まで10分間も掛かる事で有名だ。上越線は、駅からスキー場になっている所もある。
現在、只見線は只見駅と会津川口駅の区間で不通となっているが、その当時は無事に乗車出来た。只見線は山の中をトンネルや橋で幾つも超えて行くローカル線で、景色が素晴らしく鉄道ファンに人気のある路線である。雪景色ともなると一層だ。会津若松駅の近くにはお城もある。
会津若松から、猪苗代湖の横を通り郡山に行く。郡山からいわきまでを往復した。その頃には、もう夜になって少し心細かった。駅で購入した漬物の弁当を食べていた。
郡山駅で、上野駅発青森行きの下りの夜行急行八甲田号に乗って、東北本線を北上した。福島駅では、上りの夜行急行八甲田号から、下りの夜行急行津軽号に、乗り換える事が出来た。また、上りの津軽号から下りの八甲田号にも乗り換える事が出来た。時計でアラームを掛けて置かなければならないが。そうすれば、ほとんど車中泊で過ごす事が可能である。津軽号は福島駅から、奥羽本線に入る。東北本線と奥羽本線では、夜行以外はほとんど特急を利用していた。
盛岡から、田沢湖線に入る。雫石や田沢湖とスキー場が続く。大学に入ってから、田沢湖スキー場とユースホステルに行き、女の子に恋をした事を覚えている。男鹿線では、男鹿水族館に行き、館長に獲れなくなった魚種ハタハタの事を訊ねた。今はもう、種苗生産が行われている。
陸羽東線には、赤倉温泉スキー場や鳴子温泉♨があって、想い出深い。奥羽本線で、途中下車してコロッケを購入して車内で食べた。米沢駅で、夜行急行を降り、ストーブで時間待ちしていたのが想い出される。仙山線は、黒字路線と思われれる。北上線は、横手から特急で入った。
五能線は、五所川原からストーブの汽車が出ていた。岩木山の横で、日本海に面していた。「んだ。んだ。」と言いながら、行商のおばさんが乗って来る路線である。津軽線の終点の三厩駅から、タクシーで竜飛岬に行った。吹雪となっていた。
朝の5 時に盛岡駅から、雪の山田線をひた走る。太平洋側の宮古は、天気が良かった。
宮古から南の太平洋側のリアス海岸は、東日本大震災の津波の影響を受けて、鉄道路線はほとんど破壊された。今はもう、ほとんど復旧されたが。私が訪れた当時は、宮古から釜石そして花巻まで、難なく鉄道は走っていた。鮭弁当を駅で購入して、釜石線で食べていた。
仙石線を途中下車して松島行きのフェリーを2 隻並べて写真に撮ったのを覚えている。石巻線と気仙沼線と大船渡線は一日でほぼ完乗した。大湊線や八戸線は、北海道に行った帰りに乗った。花輪線や佐沢線には、まだ乗っていない。青森駅で鍋を食べたのを覚えている。
帰りは、米沢駅から米坂線に乗って、日本海側の羽越本線に出たと想う。